クロスの施工方法でよく話題に上がるのが、「合わせ切り」と「突きつけ」のどちらの施工工法が適切か?
という問題です。
結論から申し上げますと「ケースバイケース」であると思います。
自分の場合は、賃貸物件に量産クロスを貼る現場が多いので、突きつけ施工がメインです。 ドア上、窓上など、どうしても合わせ切りをしなければならない箇所は、合わせ切りしてから和紙テープを入れるか、コークボンドを塗って補強しています。
貼替に入った現場ですが、前の職人さんは、全てのジョイントを合わせ切りした後コークボンドを塗りこんでいました。 ここまで手間をかけるなら、下敷きテープを入れた方が楽なんじゃないかと思いますが、それぞれやり方があるので、綺麗に収まっていれば問題無いと思います。
問題があるのは、下敷きテープ無しで合わせ切りで貼り替える方法だと個人的には感じています。
この天井の様な下地の状態で、下敷き無しで合わせ切りをすれば、短期間でジョイントが割れてくると予想されます。
「下地を切らずに合わせ切り出来るから大丈夫だよ」と言う職人さんも居りますが、
ワンルームの壁面全てのジョイントですら数十か所あると予想されるので、それが技術的に可能なのかどうかは、自分には判断がつきません。
以上の理由から、自分は天井も基本的に突きつけ施工をしています。
突きつけ施工のデメリットはジョイントが目立ちやすい、という点ですが、最近の量産クロスは突きつけでも目立たない材料が多いです。
もちろん、量産でも薄い材料やジョイントが目立つ物もありますので、そういう場合は下敷きを入れて合わせ切り施工をします。
尚、下地の状態によっては突きつけ施工でもジョイントが割れるケースも存在しますので、絶対ジョイントが割れないという事では無い、という事を申し添えておきます。